FX取引で誰もが最初に考えるのが、「どの通貨(ペア)で取引するか」である。
一般に、日本人にとっては円/ドル、円/ユーロあるいは円/豪ドルなど円を絡めるのがわかりやすいだろう。外貨預金などは自己資金である円をドルなどの外貨に投資するからであり、外国株、外国投信、外貨債券なども手持ちの円を外貨に換えるのが普通だからだ。日本人にとって親しみやすいのは円と外貨との相場だ。
しかし世界の外国為替相場はドルを基軸として世界各国の通貨はまず対ドル相場で取引されている。ドル/円、ドル/ユーロ、ドル/豪ドルなどの自国通貨とドルとの取引がまず基本にある。豪ドル/円の相場は豪ドル/米ドルとドル円の相場から計算して出している。
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豪ドル/ドルが、「1豪ドル=0.93米ドル」の時、「ドル/円=1ドル102円」なら、
豪ドル/円=0.93×102 → 1豪ドル=94.86円となる。
基軸通貨ドルとの相場が流動性が円と他国通貨の相場より厚いと考えていただければいい。ユーロ/円などは取引量が次第に大きくなっているが、豪ドル/円やNZドル/円、南アランド/円は、対ドル相場とドル/円相場で計算して提示されるため、豪ドル/円相場という相場は常時、流動性が厚いものではない。
最終的に顧客取引をカバーする銀行のディーラーは顧客の豪ドル/円の取引を豪ドル/米ドルとドル/円の2つに分けてカバー取引をすることが多い。長期的なポジションを持つ時は売りでも買いでも、それほど一時的な流動性は気にならないので対ドルでのポジションでも対円でのポジションでもいいだろう。
世界のお金は米ドルを中心に動いている
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デイトレなどの短期取引では流動性が十分あることが条件なので対ドル取引が都合がいいだろう。また為替相場はやはり米国の政治経済情報で動くことが多い。その時にユーロ/円ポジションや豪ドル/円ポジションを持っていてもせっかく大きく動く情報が流れても反応しにくい。
例えば米国失業率が大幅悪化すればやはりドル/ユーロ、ドル/円、ドル/NZドルなどのポジションを持っていれば情報をすぐに活かせる。
しかしユーロ/円のポジションなら売っていいのか買っていいのかわからない。もちろんNZの財務大臣が「NZ/円は高すぎる」と発言することもあることはあるが、数としては滅多にない。どこの国の財務大臣もまず対ドルで為替相場を考えている。NZドル/スイスなどの相場についてはほとんどといっていいほど発言しない。
ということで短期で頻繁に売買する時は対ドルでやるのが都合がいい。長期的なポジションは対ドルでもいいが、さまざまな通貨ペアも利用できる。ただ流動性は対ドルと比べれば落ちるので利食いでも損切りでも慌ててポジションを解消する時は少し時間がかかるかもしれない。
NZドル/円のポジションを造成したり解消する時で流動性が不安な時はNZドル/米ドルとドル/円で別々に取引してから合成することは銀行のディーラーではよくやることだ。個人のFXでも行うことができるがそれぞれ証拠金を別個に使用する不便さはある。さてそういうことを踏まえて今回は先進国通貨の特徴を取上げていきたい。
米ドル――最も流動性の高い通貨
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まず米ドルから紹介していこう。上述したように最も流動性の高い通貨ペアとなる。どの国もまずは対ドルでの相場動向を考える。介入するにしても対ドルで行うのが一般的だ。それが基軸通貨ドルの特徴だ。すべてはドルを介しての取引が基本だ。
米ドルは、基軸通貨として、輸出入などの国際的な商取引の決済に多く使用され取引している人も最も多くなっている。米国の経済指標が好い結果になればドル買い、悪い結果になればドル売りがそれぞれ優勢になる。
米ドルは取引されている人がもっとも多い通貨ということで、米国の経済指標は他国の指標よりも注目されている。その米国経済指標のなかでも、ISM製造業景況指数、非農業部門雇用者数、小売売上高、貿易収支、GDPは特に注目度が高くなっている。
金融政策においては米国中央銀行であるFRBは、米国経済や物価動向を安定させるために、政策金利の調整を行う。一般的に米国の利上げはドル買い、利下げはドル売りにつながるケースが多い。また米国の要人が発言すれば今後の財政・金融政策の概要についてわかってくることがあるということで、為替相場でも注目材料となる。
外国為替市場において、通貨価値の安定や市場の乱高下の防止を狙って政府が直接参加して市場で売買し、外為市場の相場に影響を与えることを介入と言うが米ドルは基軸通貨ー)ということで、他の通貨よりも比較的「介入」のターゲットになりやすくなっている。
米ドルはその流動性も厚く、米国経済の動きが世界中の通貨に影響を与えるのでデイトレなどの短期取引から長期取引まで広く利用出来る通貨である。
ユーロ――基軸通貨米ドルを補完する通貨FX
EU域内でのヒト・モノ・お金の流通をさらに活発化させるために欧州単一通貨の導入の必要性が議論され、その後1999年にはEUの加盟国うち11ヶ国でユーロが導入された。
2001年には、ギリシャがユーロ導入に踏み切りユーロの導入国は12ヶ国、2007年1月にはスロベニア、2008年1月1日にはマルタとキプロスでユーロ導入され、ユーロ導入国は15ヶ国となった。
ユーロの変動要因はユーロ圏全体の指標の他に、ユーロ圏の中心国であるドイツ、フランス両国の指標が注目されている。失業率、GDP、鉱工業生産、生産者物価指数、消費者物価指数が特に注目されドイツで発表されているZEW景況感指数やIFO景況指数も注目されている。
ユーロ圏の金融政策はECB理事会で決定される。ECBはインフレには非常に厳しい政策をとるドイツブンデスバンクをモデルとしている。
ユーロ相場は導入当初はユーロ圏から世界各国へ資金が流出し下落を招いたが次第にそのユーロ加盟条件である財政規律が広く認められ米ドルがその貿易赤字により下落する傾向からも騰勢を続けている。
ユーロ/円は89円をつけてから現在は160円台、ユーロドル/ドルは一時0.82台まで下落した後、1.59台まで上昇している。基軸通貨米ドルを補完する通貨として重要視されてきている。その意味でも通貨統合は成功であった。
続いてカナダとスイスについて見ていこう。
ランド」〜超高金利 資源国の代表選手
・資源高を背景に世界中からマネーが集まっている
・超高金利通貨FX
・人気通貨国だが、情報が少ないのが難点
世界的に資源にマネーが集中していますが、その代表的な国が南アフリカではないでしょうか。世界屈指の埋蔵量を誇る金などの資源保有国です。その資源を背景に、経済成長を遂げています。
通貨的な魅力は高金利通貨であるということですが、情報が少ないのが難点でしょう。それからインフラ整備が追いつかず、電力不足で金が採掘できないという事態もあり、少し不安定ではあります。
わかりやすいのは、インフレターゲットを設定している国であるということ。つまり、世間に出回るお金の量を意図的に増やして、ゆっくりとインフレにすることで、経済の安定を3〜6%に設定しているのです。
現在の南アフリカの政策金利は、11.50%。2008年の第1・四半期のインフレ率は、前年比7.8%。インフレターゲットから大きくずれると、利上げを実施して経済を安定させていく政策をとっています。ちなみに、南アフリカの政策金利の最高は、13.50%なので、今後インフレが加速するようなら、利上げもあるかもしれません。
私なりのランドの感想ですが、買いやすい通貨&高金利なので、気に入っています。全力買いはしませんが、少しポジションを持っておくようにしています。
さて、ではちょっと北上して、西アジアのほうに行ってみましょうか。
「リラ」〜未知の領域!
・NO.1の高金利通貨
・政治的な問題あり
「リラ」とは、トルコリラのことです。この通貨は、とりあえずNo.1の高金利通貨であることは確かです。毎日スワップ金利が約300円入ってくるのは夢のような通貨といえましょう。さらにレバレッジをかけると、もっとスワップ金利がふえふえします。しかし、そんな魅力的な通貨にも落とし穴がありそうです。
歴史的に見ると、結構やんちゃな国だな〜という印象。というのも、2001年に金融危機に陥り、通貨の番人IMFの指導の下、−7%台だった実質GDPは、徐々に回復してプラス7%まで一応回復。
さらに、消費者物価指数を見ると、1997年では85.7%。驚異的なインフレです。物価が85%も上がっているということですから。日本では考えられないですよね。ただでさえ、原油価格の高騰で家計の引き締めが入ってるというのに!
そんな驚異的にインフレの激しい国のトルコでしたが、2006年には8.0%→2007年7月には7.39%まで下げることに成功しました。しかし、まだまだ国的に不安定だなという印象です。
それにしても、リラのチャートを見ていると、値動きが激しいです。ちゃんとリスク管理していないと、すぐにレバレッジが高くなってしまうので要注意ですね。気がついたら、あっさり貯めていたスワップ金利が吹っ飛ぶ危険性もありますから。あるいは、ロスカットなどの危険性大です。
ちなみに、トルコに旅行に行ったことがあるのですが、紙幣を見ると、あまりのゼロの多さにビックリした記憶があります。
では、次はアジアはアジアでも、東のほうです。
「香港ドル」〜ドルペッグ制だから読みやすい
・米ドルペッグ制
・低金利通貨
・中国の好景気で安定した成長を続けている
少しマイナーな通貨かもしれませんが、香港ドルを紹介しておこうかと思います。スワップもそれほど多くないので、あまり注目されていない通貨かと思います。
ではまず「どうしてマイナーな香港ドルを買うの?」という疑問にお答えしましょう。この通貨の一番の特徴は「ドルペッグ制」です。ドルペッグ制とは、簡単にいうと、自国の通貨をドルに連動させる固定為替制度のこと。ドルペッグ制を用いると、ドルに対しての為替レートは安定するので、貿易などが安定することになります。デメリットとしては、アメリカの政策金利に合わせなければならないので自国の経済がどうあれ、無理やり連動していかなければなりません。
執筆している現在、1US$=7.75〜7.85HK$の間の変動で香港ドルは動いています。逆にいうと、この変動幅でしか動かないと決まっているということ。レンジが決まっているので、レバレッジもそれに合わせてかけやすいのです。
ただし、サブプラの影響で米ドルは金利を下げていますが、香港はその影響を受けるどころか中国の高度成長に伴い、GDPも順調に成長しています。明らかにズレが生じています。香港がインフレに耐えられずに、ドルペッグを外れることも予想されるので、注意が必要になります。
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